指揮法について


furusho
撮影:スタジオスペースフォト


指揮者が管弦楽団や吹奏楽団、合唱団などを指揮するための技法の事。

基本

クラシック音楽では、一般に指揮によって、テンポ・音量・表情などが奏者達に示される。その動きに絶対的な規則・法則は無く、体の動きや顔の表情全てが表現と言える。

現代、広く行われている形式としては、右腕で図形を描くことで奏者に拍を示し、奏者全員が同じテンポを共有できるようにすることが多く、最も基本的な役割とされる。指揮棒を使う場合、それは右腕の延長として用いられる。図形を描く運動の中で、拍を示す位置を「打点」という。

小澤征爾等を育てた齋藤秀雄が 唱えた「斎藤メソッド」では、打点を示すために「叩き」といって何かを叩く動作をして明示的に示したり、「しゃくい」といって緩やかな曲線運動の中で加速度の 変化を示したりする。このメソッドによると指揮法が誰にでも理解できる反面、速度変化による表情づけ(アゴーギク)を必要以上に単純化するという批判も少 なくない。

一方左腕は主に曲の表情を示したり、重要なパートに注意を喚起させたりするのに用いられる。そのほか、視線、顔の表情、全身のさまざまな動きを用いて、曲の表情を奏者に伝える。

両腕に共通することだが、曲の表情を表す代表的な方法には、

クレッシェンド・・・図形を段々と大きく
ディミヌェンド・・・図形を段々と小さく
アクセント・・・強くピュッと振る
フェルマータ・・・棒を停める     
などがある。(あくまでも一般論であり、全ての場合に該当するとは限らない。)

多くの場合、指揮には指揮棒(タクト)を使うが、編成が小さい場合や合唱指揮をする場合、または曲調や指揮者の考え方によっては、棒を持たないで素 手による場合もある。その際は、棒を持つことによるはっきりとした拍節感より、指先までを使った柔らかな表現を優先する場合に適してい るとされ、緩徐楽章のみ指揮棒を置くこともある。合唱などでは、特に繊細な指示を出すにも効果的と考えられている。

また、ドラム&ビューグル・コーなどマーチングバンドの指揮者はドラムメジャーと呼ばれ、クラシック音楽のタクトよりはるかに大きな、杖のような指揮棒が使われることもある。四管編成オーケストラ・オペラ・管弦楽&合唱、等の大編成の場合には長めの指揮棒を、少人数編成の室内管弦楽等には短めの指揮棒が多いが、これとて絶対的な決まりはない。

応用

ウィーン国立音楽大学教授のカール・エスターライヒャーは指揮者の役割として次のような事を言っている。これは現代の作曲におけるパラメーターの考え方にほとんど重複する。

テンポ
音色
フレージング
リズム
ディナーミク
また、指揮棒をあやつる技術そのものは役割全体のほんの一部に過ぎず、その重要性は全体の10%に満たないという指揮者が大多数である。

(出典:Wikipedia)




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